ぼくらの

647 : ウシロ×マキ

投稿日:2007/08/15(水) 07:16:30 ID:ruu0SAEs

「ウシロ君、迎えに来たよ」

朝早く、一人の少女がウシロ家のチャイムを鳴らした。
無言でドアを開いたウシロの背後から、妹のカナがひょこ、と顔を出した。

「カナちゃん! おはよぉ〜♪」
「あ、すぐ行きます。」

少女は、カナに笑顔を向けてひらひらと手を振る。ふわふわした茶髪が肩の辺りで揺れた。
カナがとたとたと、準備をする足音が聞こえ、兄のウシロは開けっ放しのドアに寄り掛かった。

「どうぞ、ご勝手に。」

そう興味なさげに言い捨てて、ポケットに手を突っ込む。
彼女がカナを迎えに来ることは、事前にカンジから連絡を受けていた。
ミニスカートを穿いたオシャレな少女は、
カナを待つ時間を持て余すかのようにしばらくキョロキョロと辺りを見渡していたが、
やがてウシロに視線を止め、彼の頭から足先までをじぃ〜っと眺めた。

「ふーん…、」
「……何。」
眉を寄せて、ウシロが怪訝な顔をする。
「ウシロ君ってさ、最初の頃と比べるとずいぶん丸くなった気がする。」
彼はますます訝しがったが、少女はしてやったりとほくそ笑んで、
彼の、その表情を指摘した。
「出会った頃は、無表情か、怒ってるかどっちかしかなかった。そういう変な顔見たことないよ。」

勘の悪い男じゃないと思うから、言わんとしていることは分からないでもないだろう。

彼――常に無愛想で冷淡ともいえる性格であるウシロが、
マキ――快活で世話好きで感情豊かな女の子と付き合い始めてから大分経ち、いまだに上手くいっている。

―――これって100パー、マキの影響ウケまくりだよね!

大声でからかってみたい好奇心もあるが、やっぱりちょと怖いからやめておく。
自然と満足げな笑みがこぼれて、少女はニヤニヤしてしまう口元を手で押さえた。

「マキはすぐガミガミするけど、ウシロ君のことちっとも嫌がってないからね」
一方的に続ける。「…ンなこと、アタシが言わなくても分かってるか。」
少女は、斜め上に視線を向けて、何か考える素振りを見せたが、
「あ、そうだ」とウシロに向き直った。
おもむろにカバンから小さな箱を取り出し、押し付ける。少し早口になった。

「コレお餞別! マキが来たら、ふたりでどうぞ。」

何だこれは、と首を傾げたウシロが何かを言う前に、
カナがデイパックを持って現れた。

「おまたせして、すみませんっ。」
「きゃー!カナちゃん!!ヤバーイ!今日一日、カナちゃんを独り占めできるなんて最高!」
少女はカナの目線まで腰を曲げた。
「よろしくね、カナちゃん」
「はい。よろしくおねがいします。」
カナは礼儀正しく頭を下げて、かすかに笑った。

イイ子過ぎっ!と叫んで少女はカナをムリヤリぎゅうぎゅうと抱きしめる。
やがて、二人が手を繋いで遠ざかっていくのを、ウシロは見届けた。

家に入り、少女がくれた箱の中身を一瞥して、ため息をついた。

――――――――――――――――――――――――――――

「ねぇっ、カナちゃんはっ!??」

開口一番、マキは心底、不満そうな声をあげた。
口がへの字に曲がって、両手には握りこぶし。今にも殴り掛かってきそうだ。

「だから、カンジん家だっつってんだろ」

何度も同じこと言わせるな、と、ウシロがげんなりした態度でつっけんどんに答える。
どちらも怒っているのだけれど、二人の怒り方には非常に温度差があって、
どうも噛み合わないことが多い。喧嘩の原因は、大体いつも似たようなものばかりだ。


――“友達の家に泊まりに行く”。マキは、そう親に言って出てきた。

ウシロ家に来たはいいけど、カナちゃんがいないなんて想定外だ。
今日は、カナちゃんとの一日を本気で楽しみにしてたのだ。
一緒にご飯を食べたり、お風呂に入ったり、
夜は、眠くなるまでずっとおしゃべりして…。
ぐぅたら兄貴の世話なんか絶対させない。
カナちゃんの笑顔が見たくて、マンガやゲームもたくさん持ってきたのだ。
そりゃ、驚かせようと思って唐突に来たのは悪かったけどさ…。

「だから!なんでカンジ君ちにいるのよっ!?」

「……………」

ウシロが黙る。
マキはあからさまに顔をしかめて、ワナワナと体を震わせた。

「あ、あんたまさか……い、いやらしい事考えてんじゃないでしょうね…」
「…んなワケないだろ」

「あたしが、あんたの家に泊まるって分かってて、
 カナちゃんを追い出すなんて…、それしかないじゃないっ!!」

バコーン!と、ウシロをぶん殴ると、マキは玄関へ戻っていった。

「あたしも、カンジ君ちに泊まる!!さよならっ」


喧嘩をしても、しばらくしてヒートダウンしたマキが戻ってくれば、事は終わる。
ウシロはどこへも行かない。ただそこにいるだけだ。
すぐに怒って、すぐに謝って、すぐに笑うマキを、ただ見ているだけだ。
『感情的になっても仕方ない』。いつでもそう思っているウシロにとって、
マキは毒のような存在だった。じわじわと浸透してきて内側から壊そうとする非致死量の鈍い毒。
"その場から動かない" のは、麻痺しているからだ。

やがて…マキが触れた所から毒がほどけていくのも知っている。
マキがいるから、まともに動けるようになる。
まるで、母親が来てくれるのを待っている『ダダっ子』のような感覚。


依存している…。カナの次はマキに。

だが、ウシロはマキを殴らない。

――――――――――――――――――――――――――――

「お前が行っても邪魔なだけだ」
「何でよっ」
「カンジの、女、…も一緒だから」
「はぁ? 何で……、アンコが………」

 ―――…ねぇねぇ、マキってば、聞いてるの!?

「カナも含めて3人でなんかのパーティーしてる。今朝、迎えに来てた」

 ―――あのさぁ〜、弟君が産まれて、シアワセなのも分かるけどぉ〜…
 ―――たまにはウシロ君のことも構ってあげないと可哀想ってカンジ!?


「なっ、なっ…」
開いた口がふさがらないとはまさにこのこと。
   マキは先日した、アンコとの会話を思いだした。
   妙にウシロのことを話題にして、しつこく迫ってきたっけ…。
   プライベートなこともかなりツッコんできてそりゃもう大変だった。


「コレくれた。」

ウシロは、小分けにミシン目は付いているものの、切り離されず繋がったままの
コンドーム5連をぶらんとぶら下げて見せた。

 ―――ウシロ君て、絶倫っぽいよねェ……、マキがんばってねっ。

「避妊はしろってさ。」
「ア、アタリ前だッ!!」

アンコ…アンコ……なにかんがえてんだっ。
わぁぁぁーー!!

「カナも昨日から荷造りしてたし」
「え、えぇぇぇー……」
「遠慮なく励めってことだろ。」
「……………」
「みんなの声援に応えられないのか?」
「……ぅあ、あ、あ、あぁあぁもう、あんたねェ!!!!!!」

――な、なにがどうなって、みんなに応援されているんだ??
つか、応援されなきゃならないほど、性生活に悩んでなんかいない!!

オ、オチツコウ…。産婦人科でのお母さんを思い出そう…。
お母さんは、初めての出産だというのにちっとも慌てなかったじゃないか。
息を吸う。

ひっ、ひっ、ふ〜… ひっ、ひっ、ふ〜…

オ、オチツイテ…きた……。もう一回。

ひっ、ひっ、ふぅ〜………


そんな様子を見ていたウシロが、
「……妊娠したいのか?」
と呟いて、マキに怒られたのは言うまでもない。


いつのまにか、空が厚い雲に覆われていたのを二人は知らない――。

暗がりに沈むウシロ家のリビングで、キスを交わす。

「…………」
唇が触れ合っている間は、世界は驚くほどに静かだった。

「や、やだってば…しないったら」
マキはまだそんなことを言う。

「オムツ換えなきゃ……ミルクあげなきゃ……」
「…………」
「お風呂入れなきゃ……着替えさせなきゃ……」
「……うるせぇな」
「お姉ちゃんがこんな、いやらしいことしてたら…弟に悪影響じゃんっ」

その時突然、窓の外がカッ!と光るのを見た。
間もなく、空が割れんばかりのドゴン!!という低く鈍い音がして、マキはしばし動きを止める。
「か……雷…っ?」
次の瞬間には、ドバーっっっとものすごい豪雨が大地を打った。

「夕立…」
「帰れなくなったな……マキ。」
名前で呼ぶときは、ウシロの " ヤりたい " のサインだ。
強引に抱き寄せられて、ついに抵抗ができなくなる。

「なっ、ちょっ…」
体重を乗せて、マキをソファに押し倒すと、
服の上から胸の膨らみに触れた。
「…………っ」
マキが、息を詰めるのが分かる。
揉みながら、唇を舐めて、その割れ目に舌を差し込んだ。
「ん…」
ちゅぷ……という音が二人の間から洩れて、舌と舌が絡み合い、
吸い付くようなキスを続ける。
「んぅ…んっ」
ウシロが、じゅるじゅると唾液を混ぜ合わせながら、マキの口内を犯していく。
抵抗しようと頭を後方へ引いても、
ウシロの腕が体を引き寄せて、それを許さない。

上着のファスナーを外されて、中のTシャツを捲り上げられたと思ったら、
あっと言う間に素肌に触れられていた。
舌はまだ絡ませつつ、背に回された指がブラのホックを外す。慣れたものだ…。
すぐにカップの下から手が侵入してきて、胸の粒をつままれた。
コリコリと動かされて、思わず声が出た。
「ふっあ…っ……」
ツンと尖った突起が硬さを増していき、マキは身をくねらせる。

「ヤダってば…ぁ…、んぁあ……っ…」

すぐにウシロの口元が首筋を伝って降り、乳首はペロリと舐めとられた。
コロコロと転がし、噛んだり、吸ったりといった刺激を繰り返すと、
マキはガクガクと快感に悶えはじめる。もう片方の乳房は、手のひらで撫で回した。

「ぁ……あっ……、くっ」

ギュッと目を閉じて声を抑えている彼女の艶かしい姿態は、本当にクセになる。
堕ちないように必死な仕草が、何ともそそられるのだ。

「そのままずっと、我慢してりゃいい」

言いながら体勢を変える。マキをソファに深く座らせて、足を開かせた。
ウシロは床に膝をついて、見やすい体勢をとる。

彼女がいつも好んで穿いているボーイッシュなズボンに手をかけて
ずるずると脱がし、脚から引き抜くと、
意外にも上品で可愛らしい、白いレースの下着があらわになった。

「…これ初めてみるやつだな」
「あ…、は…ぁ……みないでよ…」

恥ずかしがって膝を閉じようとするが、ウシロの手が内腿を押えている。

「新しいやつ…こんなに濡らしていいのか?」
言うまでもない。
もうすでに中心が蜜で染みになってしまっていると、マキも分かっている。

「この下着で、帰るつもりだったのかよ」
人差し指でつつかれた。割れ目に指先が沈んだ。
「んぁ…っ」
横の隙間から直に指が入ってくる。
「ううぁっ……さ、触っちゃ……、……ぁ」
襞をなぞられて、すでに蕩けている入り口辺りを撫でられ、変な声が出てしまう。

「こんなベトベトのまま、カンジん家行かれてもな…」
「……………」

マキは、何も言えなくなった。
さっきから背筋がゾクゾクし通しで、痛い。
早くもっとされたいという期待感と、
カナちゃんを追い出してこんなことしている罪悪感が
ごちゃごちゃに混ざって、悲しい気分になる。 弟の顔も頭をよぎる。

そんなマキの心痛には構うことなく、ウシロは下も脱がそうと手を伸ばした。

乱暴に白のレースを剥がすと、ぱっくりと開いた入り口がいやらしく潤っていた。
ピンク色に熟れた中心部から透明な愛液が溢れているのが見えた。

そろそろと中指を入れると、キュッと締まってマキの顎がピクンとあがる。
「ひぁ……、や…っ」
すぐに薬指も入ってきて二本でかき回され、蜜が次から次へと流れ出る。
ぐちゅぐちゅ……と水音が響くのが聴こえて、マキは気が遠くなった。


ウシロの指は、いつも強引にかき回す。
だけど、けっこうイイ所も突いてくるから文句が言えない…

「何だ。大人しくなったな」

「…指突っ込まれた状態で、喋れるかっての…っ」

正直、会話は疾うに億劫だった。

あぁもう、ダメだ、とマキは思う。
ここまで煽られて、もう我慢なんか出来っこない。
何だかんだ言っても、身体はともかく、心もウシロを求めてる自分を知ってる。

抱きしめられたり、キスをされたりするだけで、動けなくなる自分を知ってる。

ウシロの家に泊まるのだから、
もしかしたら、するかもしれない……と、考えてはいた。
カナちゃんと遊べるのを楽しみにしていたのも本当だけれど、
もし、万が一……ウシロと二人きりになったら……。
新しく買っておいた下着を着けてきている時点で、
いやらしいことを考えていたのは、マキの方だ。
結局自分はただの、女の子なんだと、改めて思い知る。

 ……好きな人に身体をいじられるのは、やっぱり気持ちいい。
 ……特に、口ゲンカをしたあとは、なぜかいつもより…欲しくなる。


「期待してたんだろ」
耳元で図星を突かれて、マキは胸の奥が熱くなるのを感じた。

「んっ……うあぁぁ…、ちょ…っ、ダ、メぁ……―っ」

ウシロの顔が、股の間に下りてくる。
襞を舐められると、マキの理性の糸が一本切れた。
ウシロが何かするたび、二本、三本と切れてゆく。

「はぁ…、ん……ふ…」

勝手に、甘えたような、媚びるような声が出てしまうことに驚きつつ、
正直に反応してしまう自分はもうすでに、陥落しているのだと思い知らされる。
「ベ、ベッド行こうよ…」
「ここでいい。」

マキをソファに膝まずかせ、背後から挿入しようと試みる。

  ああもう…、自己中なんだから……。
  ムカつくのに、悔しいのに、早く…来て欲しいとも思う……

普段とは違う体位に、マキの思考がますます混濁していく。
脳内が、 " それ " だけしか考えなくなっていく。
この時だけは、ウシロに支配されて、
されるがままの自分を感じる。もどかしい…

「うぁ…、ウ……シロ…………」

不安げな声をあげたが、硬く熱いモノが入り口に当たるのを感じて息を吐いた。
うつぶせで腕をついて、腰をあげているだけのこの格好は
あまり好きではない。ただ羞恥心を掻き立てられるだけだ。
もういいから、早く奪って欲しい……。

いつも、挿入の瞬間は少しだけ恐い。体が強ばってしまう。

しかし、じっとりと柔らかくほぐされているソコは、
いとも簡単にウシロを受け入れてしまう……。
「は…ん、ん……」自分のどこからこんなにも甘い声が漏れるのか分からなくて、
マキはちょっと赤くなった。



……ゆっくりと、ゆっくりと、マキの中へ押し進んでいく。

  今日もまた…この身体に自分を刻み付ける。
  マキのイイ所。マキが一番よがる角度。
  マキの喘ぐ声が一段と高くなる突き上げ方。
  全部知ってるが、一気には、やらない。
  じわじわと追い詰めていくつもりだ。
  その方が自分も愉しいし、彼女も悦ぶ。

「んっ……、あ……ぅ…っ、あんまり…強くしないで…っ」

  今にも泣き出しそうな声で、彼女が震えた。


  邪魔な妹を追い出してする、セックス。
  胸に疼く黒いものは、罪悪感なのか? 
  だが……、仕方ないだろ、したかったんだから。

ガッチリ覆い被さって、マキの腰の辺りに腕を回して抱きしめた。
この温もりだけが、共犯者のような気がして、愛おしい。

獣のように後ろから叩きつけて、細い体にしがみつく。
「あっ、……ぁぁぁっ……っ、ダ……あ―――――………」
声が高い。
身体に、クッと力が入る。
そのまま5、6回突いただけで、彼女はすぐ絶頂に達した。

「はぁ……はぁ…ぁ、……」
しばらくウシロの腕の中で身を震わせたあと、ぐったりと倒れてソファにもたれた。

……こんなに早いとは思わなかった。
マキはどんどん感じやすくなっている。
小さな痩躯が目の前で " 女 " になっていくのは、見ていて興奮する…。

マキは自分の中からウシロを引き抜くと、息を整えてから振り向いた。
「……あ…」
まだ、ウシロのそれはガチガチに勃起まま、蜜に濡れて光っている。
「こんなのが、入ってたんだ……」
ぐったりしたまま視線を下ろして、よろよろと床に跪く。伸ばされた指が絡まる。
目が合うと、ちょっと笑った。

「…舐める…、から」

恥ずかしそうに言うと、張りつめている敏感な竿を優しく握って口を付けた。
先端部分があたたかい口腔内に包まれ、ちろちろと舌を押しつけられる。
「んっ…ん……、ぴちゃ…ぴちゅ……」
唾液が絡んで、上手い具合に滑りがよくなっていく。
蠢く赤い舌が肉棒を濡らしていくのを眺めるのは、さすがにゾクゾクした。

「これだけは、うまくなったよな」

毎回、さんざんやらせて、覚えさせた。
奉仕している時のマキは、極めて従順で、言ったことを何でも実行した。
いろいろ…口では文句は言うが、舐めること自体を嫌がることはない。
結局は興味津々なのだ。
むしろ命令されながら興奮して、自ら淫らになっていくようだ。


「もっと……奥まで、咥えてみろよ」
声が……少し掠れた。マキを苛めたくてそう言ったはいいが、
射精感が相当募ってきていた。

「んっ……くちゅ…チュっ……、うぅー…グロい……硬い……」

しながら、不平を並べるのもいつものことだ。
舌先で先端のくびれを、指で根元の竿をこすりつけて、唇で吸い上げる。

「う、ぁ……なんか…出てきてるし……」
  …ちゅぷ…っ……ぴちゅ……
手を液まみれにしながら、時折、亀頭の割れ目にも舌を這わせてくる。
こくこく、とマキの喉が鳴る音に煽られ、ウシロは高まる快感をこらえた。

根元の袋を触られた時、ウシロの脚がピクっと動いた。
それを見たマキが彼を見上げ、潤んだ瞳を細めてふふっ…と笑む。

「……楽しいか…そんなに…」
「はぁ……はぁ…、うん……、すご…い……」

沁み入るように返事をして、奉仕に戻る。
「はぁ…」
限界が近づいて、話してる場合ではなくなったウシロは、
ため息をついてから、マキの頭に手を添えて合図した。

「マキ……出るから…」
「じゅぅぅ……ちゅぱ…、んっく…」
「……おい…っ」
「んんぅ!……んぁ、あ…、ぴちゃっ……」

びゅ………!びゅくっ、びゅるる……――――……



ほとばしりを感じたマキは、さらに喉元まで咥え込んで、
弾けたウシロの白濁液を最後まで飲み下した。

「……はぁ、はぁ……、ん、こくん、…ぐ…ぅ」

最後まで出きった頃に、ようやく口から竿を解放する。
べとべとの手で口元を拭い、ボーっとしたままブツブツつぶやく。

「…飲んじゃった……うぅぅ……飲まされちゃった……はぁ…」
「……自分で飲んだんだろが…」
「んぅぅ……、にがい…不味い……ぬめぬめ……」

クンクンと、手の匂いを嗅いだりしている。不快だった模様。

「今のあたしに、キス…できる?」

……まぁ別に、できる、と思う。

してやろうとしたのに、一瞬、間があったのを " 迷った " と受け取ったのか、
少し頬がむくれた。
むくれた部分に口を付ける。確かに…、その辺りは精液の匂いがプンプンしていた。

マキが甘えたように擦り寄ってくる。
ウシロの背に腕を回して、ぎゅっと抱きついた。

「……でも、幸せだから、いっか」

自己解決して一方的に満足した。抱き返してやると、にっこり笑った。

「うわっ…、また…勃つの?」

一度放出したというのに、また硬さを帯び始めたソレを見たマキがちょっと引いた。
ウシロは仰向けにベッドへ倒れ、マキをうながす。

「え…、自分で…入れるの…?」 さすがに、それはちょっと…。 困惑して俯く。
「早くしろ…」
そう急かしてみると、マキはおずおずとウシロの上に跨り、膝を立てた。
ウシロの屹立したモノを握り、自分の入り口に押しあて、
ゆっくりと自らを貫いてゆく。
棒の根元まで腰を沈めると、息を吐いて呼吸を整えた。
彼のが、挿入ってる…。
だが、自分が上というのが何だか違和感があっておかしな感じだった。
不安げに見下ろすと、ウシロと目が合う。
寝そべったまま、余裕そうに笑った。
「喰われているみたいだ。」 嬉しそうな言い方だった。


「動いてみろよ」 そう指図すると、戸惑いながらもマキは身体を揺すった。
「はぁ……あぁ……」 ギッ、ギッと、ベットが軋む。
マキの動きに合わせて、ウシロも腰を浮かすと
繋がった部分からクチュクチュ、という湿った音がした。
恥ずかしさに顔を真っ赤にしたマキが、
へなへなと力も無くウシロの胸に手をつく。
「ん…ぁ……硬い……」
それでも、腰は止められないようだ。
「奥が…奥がぁぁ……、あぁん……」
腰を、上げては落とすたびに、表情が快楽に歪んでいくのが分かる。
身をよじって、眉を寄せ、陶酔しきった " 女 " の表情……。

「奥が、何だ…?」
「……ああぁ……はぁ、はぁ…」
「気持ちイイんだろ?」
「…んぅ……違う……違うもん……」

首を横に振りながら、蚊の鳴くような声で否定する。
おそらく、意識の半分はもうここにはないのだろう。

ウシロは一度、強く突き上げた。
「……ふぁっ!?」
マキの膣がピクピクと反応し、ギュ……と先端を締め付ける。

「ちゃんと本当のこと言わないと、ヒドイことになるぞ…?」
指先で、腰のラインをなぞると、マキは観念したように目を伏せた。

「だめ……あたし、変になりそぅ……」
やっぱりもぞもぞと、肉棒に貫かれた体を揺らす。

「あ……ぁ、ん……気持ち……いぃ…、ウシロの……すごく…っ」

突き上げの衝撃は、彼女の理性をすっかり砕いてしまったようで、
とうとう狂ったように求め始めた。
腹を擦り付けるような勢いで、ウシロの股間をこれでもかと咥え込み、
小刻みに体を震わせる。

「ああっ…いぃ…っ、ウシロ………、好き……大好き…ぃ……」

結合部では、マキから溢れた愛液がべとべとに絡みつき、
淫らな音を立てながらも潤滑油となって二人の挿入行為を助けた。

「あぁ…っ!あっん……!ダメ、ウシロ……も、もっとしてぇ……」
そう言われてもマキは勝手に動いていて、ウシロはこれ以上、どうしていいのか分からなかった。


「…そんなに、イイのか?」
「んんっ、ハァ…っ……う、うるさ…」
返事もおざなりに、夢中で腰を振るマキ。
「…はぁ…はぁ……っ」
さっきからまったく同じ動きを繰り返しているから、
相当イイ所に当たっているのだろう。
恍惚に浸る彼女を眺めつつ、手持ち無沙汰になったウシロは、
無防備に晒されている乳房に手を伸ばした。
「んぁ…っ」
少し眉を寄せたが、それだけだったので、
次は乳首をつまんでこねくり回した。
「あぁ!あっ…!ハァッ…く…っ……、」
…やっぱり乳首は、感じやすいな…などと冷静に考えつつ、刺激を与え続ける。
「はぁ…はっ…あっ!ん、んーっ!!」
たぶんもう、ウシロのことなど目に入っていない。

「ひぁ…っ!だ、…だめ!…いや…もぅ……!!」
完全に一人で、向こうの世界にイッてしまったようだ。

「んっ…あ……っ…―――――……っ…

ビクビク、ビク…!
マキの全身が小刻みに痙攣する振動が、ウシロにも伝わった。
顔も身体もピンク色に染めて、瞳を伏せたまま静かに達した彼女を
ウシロはキレイだと思った。

細くて脆い、柔らかな少女。
いま触ると、泣きくずれてしまいそうだ…。

勃起したモノに彼女を跨らせ、ただ寝転んでいただけの自分と、
男の体に乗り上げ、淫らに興奮して一人果てた彼女。
くらくらと、目眩のしそうなこの強烈な光景を、
彼は超至近距離の一等席で傍観した。


「ぁ……だめ、…ウシロ…ちょっと休ませて…」
身体を横たえた彼女がそうつぶやいたが、
ウシロは構わずマキの膝裏を持ち上げて、花弁を開かせた。

「おれまだイってないし」
両脚を肩に担いで、自分の先端が入り口に当たるように調節すると
マキは泣きそうな顔でウシロを見上げた。
「…待って…、待っ…ぁ…っ」ぐっと侵入する。
ぬるぬるに濡れっぱなしの入り口は、何の抵抗もなく彼を受け入れて、
クチュっと音を立てた。
体を押し開き…、やがて最深部にまで辿り着き、完全に繋がる。

「中…熱いな」
思ったことを口にした。
「…ぁんたが熱いんだ…よ」
彼女は憎まれ口のようなものを発したが、
頬は紅潮し、目がとろんと下がって、身動きがとれずにいた。
さっきイッたばかりの身体は少しでも動かしたら電撃が奔る。

  きっとまた、いとも簡単にイける…。もうちょっと待って。
  動かしちゃ、ダ……

そんなことを脳の奥で考えていたが、
一度彼が動くと、思考は遮断された。
「あっあっ……ぁぁ…!!んっ…んぁ…!」
快楽の波に襲われ、甘い疼きが広がっていく。
突き上げられる度にどんどん気持ち良くなってってしまう。
回数を重ねる度に身体が慣れていって、さらなる刺激を求めてしまう。
イヤイヤと首を振っていたが、喘ぐ声は高く艶っぽい…。

「どうだ?」
突き立てながら、そう訊くと、熱を帯びた声が、かすかにした。

 「ィ…、イッちゃうかも…」
 「またかよ」
 「……な…何回目……?」
 「三回目だろ…羨ましいな」
 「うぅ…ウシロのせいだ…」
 「おかげ、だろ」
 「ぁ…あっ、気持ちぃよぉ…っ」
 「しゃべる余裕はあるんだな…」
 「……が…がんばってる…、んだってば…っ、ぁ…!」

マキの細い腕が強い力でしがみついてきて、二人の身体がガクッと捩れた。
「…イテェ……」
「……うぁぁ、あ……ウ、シロ……ぉ!」
胸と胸が合わさると、急に締め付けがキツくなって、
ウシロもとうとう冷静ではいられなくなった。

イかないように、ぐっと唇を噛み締めてマキをむさぼる。
逃げられないように腰を強く掴んで、奥まで挿入する。
ねじ込むように攻めたてると、彼女は感情のままに高い声を上げた。

「はあぁぁ……!!ん…ふっ、あぁっ!あぁぁっ!」

素直に啼くマキをもっと、悦ばせてやりたいと思う。
もっと動いて、気持ちよくさせてやりたい。
目を覗きこむと、マキは唇を近づけてきた。
深く長く絡まり合う、キスを交わす。
くちゅくちゅ、という粘液の混ざる卑猥な音は、
もう、上から聞こえるのか下から聞こえるのか分からなかった。

動きが速くなる。性感帯が痺れていく。

「っ…!あ……!!あっあっ……んっ…あ、もう、ダメ……もぅヤダ…!」
「……んなコト、言ったって、止められるか………」

甘く激しい想いが湧き出てくる。
身体と同じくらい、心も熱かった。

「ぁ…はぁぁ…ウシロぉ……っ、いぃ、よぉ……」
「ん、……くっ…」

「……ねぇ、もっ…と……ぉ、…あぁぁっ!!!!」

マキは耐えることなく噎び泣いた。

打ちつけるごとにマキも揺れて、息も絶え絶えに大声で喘ぐ。
ウシロの腰が上下を繰り返すだけの、単純な運動であるはずなのに、
苦しいまでに追いつめられて、溺れる。
その真っ白な闇の中で、お互いが今、完璧に繋がっているということを感じる。
…一瞬の快楽を目指して、ふたりは求め合う。


「……早く、イけ…っ」
「……うぁ……う、ん……っっ」
うわごとのように返事っぽいものをして、
マキの膣がキューンと締まり、力が入った。
「マキ……っ、イイぜ…」
「あっ……あぁぁん……っあ………………――――――ぁぁぁ…」
弓なりに背を反らし、彼女の身体が大きく揺れた。
「もう、出す……ぞ…」
ただでさえ、居心地の良すぎる彼女の中が激しく痙攣し
グリグリと締め付けられ、いい加減、限界だった。


大きく腫れ上がったウシロの股間が爆発し、白濁した液を撒き散らす。
「……ん…、……」 ビクン、ビクン…!
目の前がぐらぐら揺れて、意識が飛びそうなほどの快感だった。
長い射精。……かなりの量が出たと思う。マキもそれは、膣内で感じた。
「んっ、あ……ハァ……ハァ」
「…はぁー…、…く……」

そのまま動けなくなったウシロを、マキは優しく抱きとめる。
熱い肌が汗で張り付いた。ほぅ、と安堵のため息が洩れた。

「…大好き……」

声は、確かにウシロの耳を通り、脳に刻まれた。
渦巻く " 毒 " に今日もまた、心を壊されて、ほだされる。
ますますマキから離れられなくなる。振り解けないほどの愛をくれる。


  いつかの彼女の言葉を思い出して、ウシロは感謝をする。

  ――マキが、今日も生きていることに。

――――――――――――――――――――――――――――

雨が小降りになっていた。

「なんであの時だけ土砂降ったのよ……」
マキは空を睨みながらブツブツ文句を垂れている。
「明日は、晴れるかなぁ…。アンコにガツンと言いに行かなきゃ」

  晴れてもいい。雨のままでもいい。
  明日も、世界と彼女が存在していれば、それでいい。

「あんたも、付き合ってよね。」

「……疲れたからもう寝たいんだが。」
「あーはいはい」

カーテンを閉めて、いそいそと布団に入ってくる。

  マキの匂いは――遠い、遠い昔にも嗅いだことがあるような気がした。
  …でも。
  頭に浮かぶものを振り払う。

  たぶん――いや確実に、 『明日』 は来て、おれたちは目を覚ますだろう。

  容赦なく消えてゆく " 今日 " を繋いで、
  マキと迎えることのできる新しい日を、ただ…待とう。


「おやすみ。」

合わせた手のひらを伝う温度を噛み締めると、強い眠気がやってきた。

同じ布団で眠ることに、こなれてきている自分たちに照れつつも、
ふたりは、ぴったり寄り添って眠りについた。



<終わり>

レス :
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