横田基地から帰宅するなりシャワーを浴びた順は、ろくに髪も乾かさないまま、居間の畳に寝転んだ。クッションに顔を埋める。そのままでいると、基地でのおぞましい体験がまぶたの奥で再生される。
ああくそ、むかつく! 順は拳を握って、畳に強く落とした。なにせあの身体の中に何かが侵入してくる感覚は、不快以外のなにものでもなかった。まったく、何故身体検査なんぞを受けなければならないのだ。
「おにいちゃん……」
細い声が耳に届いて、順はクッションとの狭間で顔を苦めた。おにいちゃん、ともう一度呼ばれる。
「あの……私もお風呂……入っていい?」
――そうだ、可奈も身体検査を受けたのだった。順達男子と同じく裸になって、尻に指でも突っ込まれたのだろうか。
しかし、それだけか? 順は頭を捻った。女は、物を隠せそうな穴をふたつ持っている。検査は平等に行われただろうから、もしアンコ達がそれらを探られたのだとすれば、未発達とはいえ当然可奈もだ。
順は指の腹を擦り合わせる。
(指だろうな……――指で、)
その推測に至ったら、急に順は苛立ちを覚えた。しかし持続性や継続性が無いものの類ではない。腹の底に有る血液が沸騰して、頭を終点に定め、じわじわと身体を蝕むように昇ってくる気がする。
「男、女、どっちだ?」
順はクッションから重く頭を起こして、訊いた。可奈は、すぐ横さまに立っていた。その胸にはバスタオルを抱き締めている。
「えっと……私は女だよ……」
疲れたのか、どうも可奈は呆けている様子だった。よくよく彼女の顔を見れば、頬は心成しか赤らんでおり、大きいだけの瞳も虚ろだ。それに、小さな肩と背中には、力が入っていないように見えた。
「お前のことじゃ、ねえよっ。今日、検査した奴」
順は手元のクッションを、可奈に向かってぶん投げた。見事、彼女の顔面に命中する。クッションの奥から表れた可奈の顔は、多少元来の色を取り戻していた。
「えっ、検査……? お医者さんは、男の人」
「どんな」
可奈は目を泳がせる。順は目つきを鋭くした。
「えっと……お父さんくらい、の人」
順は勢いづいて立ち上がる。それまでゆっくりと這い上がっていた熱い血が、頭の天辺まで一気に広がったのが判った。
可奈は怖気づいた表情を浮かべた。
「い……言わなくちゃいけない……こと、だった?」
言って後退した可奈の胸倉を順は掴んで、乱暴に畳の上に倒した。可奈は悲鳴をあげた。順はぐっと彼女の胸倉を握り込んで、その顔と距離を狭めた。
――気持ち悪い。
順は、心の中で吐き捨てた。父親のことが可奈の口をついたのが、ひどく不愉快だった。父親と年代の近い男が可奈の身体に触れる光景は、想像するだけで胃の中に不快感を憶える。その男を通して、父親が可奈に間接的に触れたように感じる。可奈が父親のものになったような、錯覚すらあった。
「お、おにいちゃん」
順自身、これらの嫌悪感が身体のどこから生まれてくるのか理解し難かった。どこからともなく発生しては、胸の中で暴れ回っている。このまま暴れ尽きて欲しい気もしたが、それに耐えられるくらいの気力を順は持っていなかった。
……どうにかしなければ。どうにか――、
「おにぃ……」
自ら起こした行動とはいえ、仮にも妹の唇に触れてしまったのは不味かったかと、順はその数秒後に気づいた。
顔をあげると、可奈が未確認生物でも見るかのような目を向けてきた。けれども、もう遅い。ここで止めれば、後悔と自責の念を何ヶ月も背負う羽目になるのが、安易に予想出来た。一度発端させたのなら、やり通さなければならないのだ。可奈に全てを受け入れさせる。でなければ、胸が澄み切らない。
順は、再び可奈の唇を塞いだ。
(……ええと)
だが出だしからつまづく。ディープキスのやり方が分からなかった。唇の表面を一方的に擦り合わせながら、順はカンジに借りたエロ本の内容を思い出す。順は舌を出して、可奈の唇の裏側を舐めた。可奈は顎を引いた。
「噛むなよ」
「んっ」
順は無理矢理、可奈の口内に舌を入れる。暫く口内を舐めまわした。しかし唇が火照り、唾液が増えるだけで、肝心の舌同士は上手く絡められない。順は可奈の舌先に吸い付いてみる。
「くる……しっ……」
こほっ、と可奈が小さく咽た。
結局舌は絡まることなく、そうして順は唇を離した。可奈の口の端から、唾液が流れ落ちている。
順は、ぬめった口元を腕で拭った。胸倉を掴んでいた手で、そのまま可奈のワンピースを荒々しく肌蹴けさせた。ぶつんぶつんと、糸の切れる音が何度もあがった。だが構いはしなかった。だって、後で可奈が自分で縫い直せばいいだけの話だ。
「胸ねーな……」
順は顔を顰めた。
予想はしていたが、可奈の胸の膨らみは皆無に等しかった。順はその片方の乳房に、手のひらを押し当てる。
「きゃっ」
女々しい声に、順は思わず肩を揺らしてしまった。
「変な声出すなっ」
可奈は震えて、顔を背ける。
「ご、ごめんなさ、い」
口を結んだ可奈を横目に、順は彼女の乳房を軽く凹ませた。こりこりした、硬いしこりのようなものに指が
止まる。それを押すと、可奈が目を細めた。痛いのだろうか? そう察して、順はしこりを何回も押した。
「っ、おにいちゃん、いたい……」
「だからなんだ」
すん、と鼻を小さく啜る音が聞こえた。
「ん、なんでもないっ……はぁ、――ふっ」
順は両手で乳房の突起を摘んだ。
「んんっ」
唇より薄めの桃色であるそれを、少々引っ張って、舌先で舐める。
「はぁっ、…………おにいちゃん、……はぁっ」
可奈の息遣いが荒くなってきた。それは順も同じだ。膨らみのない胸を触る最中で、下半身に熱が籠った。
順は手を可奈の足に移し、膝を立たせた。スカートを捲り上げ、可奈の下着の中に躊躇無く指を入れる。濡れてはいるものの、外気に晒せばすぐ乾燥する程度だった。
「さ、さ、さわっ」
可奈が涙声で言う。
「……身体検査で触られたんだろ? 親父ぐらいの男に。だったら平気だろ」
順は眉根を寄せた。可奈の秘部の表面を、三本指でゆっくり擦った。
「ふっ、あ、あ」
可奈の身体がしなる。秘部から液体が零れたのを皮膚で感じ取り、順は下着を脱がした。秘部の割れ目に
人差し指を入れて、辺りを撫で回す。
「だ、だめ」
可奈は太股を閉じた。
ふざけた真似を。順は、むっと口をへの字にして、腕で可奈の足を強引に開かせた。行為が終わるまで二度と閉じられないよう、その間に膝を割り込ませた。
「ひゃあんっ!」
人差し指がある所に当たったとき、可奈が甲高く鳴いた。順は頭の位置を下げて、可奈の秘部を覗く。白く濁った液体が、ひだのような肉を濡らしている。
「みっ、見ないでっ。おにいちゃん。やだっ」
順は無視した。割れ目の上方に、薄い皮に少々隠れた赤い実のようなものを見つける。順は指で、それを掬った。
「きゃあっ」
びくん、と可奈の身体が跳ねた。ここが弱いらしい。順は粘液でべとべとになりつつある手で、赤い実を集中的に攻めた。表面を触る。指で押す。爪で引っ掻く。その度に、可奈はひっきりなしに鳴いた。感じているのだろう。粘液の出も、先程より良い状態だ。
つと、順は好奇心に駆られて、秘部の粘液にちょんと舌を当てた。
「わっ! だめっ。……汚い、から……」
これも順は聞き流す。
「あ、あっあぁ」
順は粘液を舐め取った。中途半端な塩辛さが、舌に広がる。おいしくない。続けて、中指を秘部の口に入れた。
可奈の中は、まだきつかった。順は、中指で肉壁を押しほぐす。まもなく指の通りが良くなったので、今度は出し入れする。
「いたっ、は、痛いよぉっ……」
「……どうせ、検査のときも同じだったんだろ」
出た声が思いの他掠れていて、順は自分自身に静かに驚いた。
「ち、ちがう、こんなに……あっ!」
順は、指を可能な限り可奈の中に押し込んで、一気に引き出した。再び頭を屈めて、秘部に口寄せる。
「おにいちゃ……や……だ、やだっ、やめっ……」
可奈の中へと続く入り口に、順は舌を当てる。邪魔なひだは、指で横に開いた。わざと唾液を出して、可奈の粘液と混ぜるよう、舌先を中に押し込んでやった。
「あっ! ああ!」
「……っ、あんまり、大きい声、出すなっ」
順は片手で、可奈の口を強く塞いだ。彼女の荒い吐息が、手のひらを蒸らした。
「んー! ん!」
順は、秘部の入り口に前歯を立てようとした。が、押し付けるような形になってしまった。この際、気にせず続行する。順の口内を可奈の塩辛さが満たしてゆく。
「んふ、ふっ! ふ、おひ、はっ」
柔い果物を丸齧りするように、顎を動かす。
「んっ!」
どろっと、可奈の秘所から粘液が洪水のように出てきた。順は驚いて顔をあげる。液は白く濁っておらず、透明に近かった。
「はあっ」
可奈の口から手を離してやり、順はその表情を窺った。涙でぐしゃぐしゃだった。普段から可愛くないくせに、更に劣化している。
「おい、拭け」
「え……?」
「口だ。お前の変なののせいで、濡れてるだろ」
「あ……う、うん……」
可奈は顔を赤らめて、順の口に付いた液体を、弱弱しく指で引っ掻いてきた。
……遅い上に拭けていない。順は、可奈の手を叩き払った。彼女のスカートを引っ張り、それで口周りを綺麗にした。
「むっかつく……」
視界が、ぐらりと一瞬揺れた。
肩で息をしながら、順はジーンズのジッパーに手を掛ける。欲情した証拠を人目に晒したくなくて、可奈の目蓋に唇を落とした。粘液とは別の、塩辛い味がした。
「え? ……おにいちゃ、ん? な、なに? 何か、かたい」
秘所の割れ目に肉棒の先端を当てると、可奈が不安げに見上げてきた。答えを返さず、順は肉棒を彼女の中に挿し入れた。
「痛い!」
まだ先っちょしか入ってないというのに、可奈はもうぼろぼろ涙し始めた。ち、と順は舌打ちする。
「我慢しろ。こっちだって痛いんだよ」
可奈の中は大分緩んだと思っていたのだが、未発達な身体のせいなのか、もう締まり始めていた。ぎゅうぎゅうと伸縮する肉の壁が、肉棒をやけに圧迫してくる。歯を食いしばって、順は深く腰を沈めた。
何とか入りきった。
「痛い、本当に痛いの……」
ひっくひっくと可奈はしゃくりあげる。
改めて濡れさせなければ、両者共に苦しいだけだと順は踏んだ。手で、可奈の秘部にある赤い実を撫でる。
可奈は顎を仰け反らせた。
「ひぁあっ」
やがて繋がった場所から、くちゅくちゅと粘液の漏れる音がした。順はゆっくりと腰を動かす。
「あ、あ……あ」
苦しそうに、ひゅうひゅうと鳴る可奈の喉。その瞳は瞬きもせず、涙だけを流している。順は顔を顰め、可奈の腕を引いて、自身の背中に誘導してやった。
「掴んでろ」
「は、はい……」
可奈の小さな両手が順の背中に回って、シャツを掴んだ。順は腰を揺らすペースを速めた。可奈の中も、肉棒の挿入を順調に繰り返せるくらいにはなった。けれども痛みは残っているらしく、挿入する度に可奈は順のシャツをぎゅっと握る。
「おにいちゃん……おにいちゃんっ……」
腰を動かしながら、順はだんだんと、支配感に満たされていくのを感じていた。身体検査と同様のことは済ませた上、可奈とこうして繋がっている。可奈は痛がりながらも、順のシャツを握って離れようとしない。
おにいちゃん、おにいちゃん、としきりに順を呼ぶ。順だけを呼ぶ。今彼女は、心身共に順の存在に侵食されていることだろう。父が割り込める隙間などない。背筋に寒気が走った。高揚する。順は腰を突き上げた。
「おにい、ちゃっ、んっ」
肌同士をぶつけるように可奈の奥目掛けて打つと、小さな背中が反った。
「あっ。だ、だめっ、やだ! おにいちゃんっ」
可奈の肉壁が大きく伸縮し、順に射精感をもたらす。順は眉間を寄せた。肉棒を一度引き抜いて、可奈の中を強く擦り、何度も何度も貫くように突いた。
「やあぁ! ああっ、んあっ。こわい! おにいちゃん、こわいっ……こわいよぉっ!」
可奈の奥まで届いたのが分かる。
「……っ」
限界を悟って、順は突くと同時に可奈の腰を引き寄せた。そして、うずく欲望を解放した。
「ひやぁあぁっ!」
可奈は一層、順にしがみついてきた。精液を一滴残さず搾り取るかの如く、彼女の中はうごめくのを止めない。
順は、可奈の背中にぎこちなく手を回して、自身も呼吸を整えながら、落ち着くのを待った。
本日二度目となる風呂からあがり、居間に顔を出すと、可奈は破れた服を着直し、バスタオルで畳の汚れを拭い取っていた。しかし幾ら汚れは取れようと生臭い。順は鼻を摘んだ。
「あ……お、おにいちゃん……」
目が合う。可奈の顔が、みるみるうちに赤くなった。
「鬱陶しいっ」
順は可奈の背中を蹴った。
「臭い。どうにかしろ」
可奈は背中を撫でて立ち上がる。
「あ……物置に、ファ○リーズがある、から」
可奈は、ふらふらと危なっかしい足取りだ。太股が痛いのか、変に内股でもある。そうして居間を後にしようとする彼女を、順はその髪を掴んで止めた。
「お前が取りに行ったら、臭いのが伝染るだろうがっ」
どかどかと足音を響かせて、順は物置に向かう。歩き方が癪に障って止めただけであるから、これは気遣いではない。断じてない。
終わり。
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